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2021.6.28

開発物語vol.2「らくなんで酢~後編~」

3つの壁を乗り越えついに新商品誕生!軽い・楽ちん・おいしいの「3拍子」にこめる期待

新しい調味酢商品として、「らくなんで酢」の商品化に着手し始めた開発担当者ですが、商品の決め手となる味わいと価格が決まった矢先、開発を中断せざるを得なくなりました。発売予定日が刻々と近づくなか、商品化に携わる全ての方と足並みをそろえることになんとか成功した現場担当者たち。しかしそこには、また新たなトラブルが待ち受けていたのです…。

商品化に関わる社内外の方に「らくなんで酢」の商品開発を納得してもらいほっとしたのも束の間、今度はネーミングでトラブルが起こりました。

「くらしモア」商品を企画開発しているニチリウでは、女性メンバーを中心にモニタリング会議を開催しています。買い物の中心的な存在である女性の意見を取り入れようということで、商品の開発時には味や価格、パッケージデザインについて意見交換を行います。

今回の「らくなんで酢」のネーミングを決める時も、会議メンバーにいくつかの商品名を提案して、20案ぐらいの中から意見を反映して名前を決めたんです。一度はある商品名で決まったんですが、既に販売されている商品名とかぶっていないか調べたところ、他社で同名の商品があることが分かりました。

そのため、もう一度急いでアンケートを取る必要が出てしまい、作業は振り出しに戻ってしまいました。再度、商標登録を慎重に調べ直して、もう一度会議メンバーに意見を聞き、投票数が多かった名前をつけることにしたのです。

こうしてようやく生まれたのが「らくなんで酢」です。これは、「調理が楽ちんでおいしい料理ができる」という意味を込めて名づけました。

社内と社外の確認を行い、最終決定までに気づけばネーミングだけで2か月も費やす結果に…。なんとか発売日までに間に合わせようとすると、デザイン決定などにしわ寄せがいってしまい大変苦労しました。

パッケージデザインについても、ネーミングと同じように大切なことなんです。

「らくなんで酢」のパッケージは、明るくポップなイメージにしたいと考えていたんです。これまでのお酢製品は、伝統的な書体を使った純和風なデザインが多かったので、印象を変えたいと考えていたんです。 デザイナーや商品を製造するメーカー、前述の会議メンバーたちとの調整をして、なんとか発売日までに新商品を完成させることができました。

ようやくできあがった「らくなんで酢」を目にしたときは、もう「やったー!!」という気持ちでした。新しいお酢商品を開発しようと決めてから2年半、アイデアがようやく形になった喜びはひとしおでした。

当初思い描いていた、「忙しい人がおいしく手軽に料理できる調味料」をついに作り上げたんだという達成感を感じる一方で、まだまだ取り組まないといけない課題はあるな、という気持ちもあります。

新商品は開発しただけではだめで、その後にスーパー様が商品を販売してくださることで、初めてお客さまに伝わるんです。お客さまに伝わった後も売れるかどうか分からないぐらい厳しいので、スーパー様の存在は、本当にありがたいしうれしいと感じています。

何よりも、商品を買ってくださったお客さまに商品を気に入っていただけるか?ということは、今もずっと気になります。

こうして、発売日を無事に迎えた「らくなんで酢」ですが、周りから聞こえてくる声は、うれしい内容が多いんです。味や便利さに加えて「ペットボトルだから買い物の時に容器が割れる心配がない」、「軽いから調理する時に片手で持てて楽に軽量できる」、「中身を使い切った後、ラベルがフィルムだからはがしやすく、ゴミ処理が簡単」という、ありがたいコメントもあります。

日々忙しい中で調理される方は、ゴミ処理の大変さも実感されています。その点、ペットボトル飲料のように、フィルムラベルをサッと外してゴミ処理ができる「らくなんで酢」のようなタイプは、お客さまに喜ばれているのかもしれません。

最後に「らくなんで酢」の考案者である私がオススメするレシピは、「らくなんで酢」を鶏肉にふりかけて、からめながら焼く照り焼です。お肉がしっとりとやわらかくなり、とてもジューシーな味わいになります。フライパンで鶏肉をじっくり焼いている間に、細切りにしたパプリカを「らくなんで酢」にしばらく漬けておきます。これで、「やわらか鶏肉焼き」と「パプリカのピクルス」2品のできあがりです。

これからの季節は、冷えたビールによく合う立派なおつまみになりますよ。ぜひ店頭で「らくなんで酢」を見かけた際は、お手にとってくださいね。