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2022.5.13

開発物語vol.13「まな板シート 抗菌剤入り~前編~」

まな板シート 抗菌剤入りの開発物語「前編」

開発物語vol.13は2022年1月に発売した「まな板シート 抗菌剤入り」をご紹介します。シート状になったまな板をスライド式カッターでカットして使用する、使い捨てのまな板です。開発担当者に商品化のきっかけ、商品特長について詳しくお聞きしました。

目次

  1. 「これは売れそう!」担当者の直感から生まれた商品
  2. 商品化に向けた仮説と検証
  3. 後押しになった社内の女性社員の声
  4. 商品化の仮説は確信へ!

「まな板シート」の開発担当者はこの方!

住居関連部/赤松 佳美(あかまつ よしみ)

家庭用品や台所用品など住居関連商品の担当をしています。小売業で店舗の売り場業務や、バイヤーの経験を活かして、前職から現在に至るまで、住居関連商品に携わっています。お客さまと接する販売と売り場、商品をお届けする商品開発、一連の流れにおける経験があります。普段から「どうすれば手早く&楽ちんに調理できるかな」と考えながら、お料理を作ることが多いです。日常生活のひらめきを商品開発に活かしています。

「これは売れそう!」担当者の直感から生まれた商品

<聞き手>
今回、開発エピソードをお聞きする「まな板シート 抗菌剤入り」は、商品名の通りポリエチレン製のシートを食品ラップのように必要分だけカットして、まな板の上に敷いて使う「使い捨てのシート」です。生魚や生肉をカットした後、まな板を塩素系漂白剤で除菌するのはめんどくさい…、でも臭いや菌など衛生面も気になる…という方には待望の商品だと思います。さっそくですが、商品化のきっかけからお聞かせください。

<赤松バイヤー>
はい。
日頃から話題の商品や流行りの商品、他社商品の調査、お客さまの購買行動を実際に自分の目で見て情報を得るために、食品スーパーやホームセンターへ足を運んでいるんです。その際にまな板シートを見かけて、「これまでになかった商品で売れそうだな」と、気になっていたんです。

<聞き手>
商品開発のヒントは、売り場にあるわけですね。

<赤松バイヤー>
そうですね。ただ、調理グッズはブーム性が強く定着しにくいものも多くあるんですよね、過去にはタジン鍋やシリコンスチーマーなどがそうでした。売れそうな商品だなと思いましたが、まな板シートも過去の調理グッズと同じなのかも…と考えると、商品化を進めるか止めるか迷っていたんです。
そこで、取引がある海外の輸入商社へ問い合わせをしたら、「日本企業からの発注は増えていますよ」と、教えていただいたんです。日本の市場動向にも詳しい商社なので参考になりました。

商品化に向けた仮説と検証

<赤松バイヤー>
その時期は新型コロナウイルスの感染拡大により、お客さまの生活スタイルが変わりつつあったんです。まず、食器用の布巾にも抗菌・防臭のニーズが高まっていたこと。そして、外食が減り家庭での食事が増えると同時に家事の時間も増えたことで、時短になる便利な商品が求められていました。まな板シートは、この2つのニーズに応えられるのでは?と仮説を立てたんです。

<聞き手>
確かにまな板シートは使い捨てなので衛生的ですし、除菌のために熱湯をかけたり漂白剤につける手間や時間が省けますから、お客さまのニーズにピッタリですね。

<赤松バイヤー>
仮説を立てたら次は検証をしました。まずは、実際に私がまな板シートを使ってみないと評価できない、ということでサンプルを数種類取り寄せて、自宅で使ってみたんです。
『やっぱり便利だな!』というのが感想でした。サンプルの中に少し大きいサイズの幅30㎝もあったんですが、手軽に使えるサイズが良いなと思い、検証段階でしたが商品化するなら24㎝と決めていました。

<聞き手>
大きいと扱いづらい場合もありますよね。24㎝だと家庭用のまな板に合わせて使いやすそうですね。

後押しになった社内の女性社員の声

<赤松バイヤー>
少し話は変わるのですが、「まな板シート 抗菌剤入り」は輸入品なので、輸入に関わる色々な手続きがあるんです。
その業務を進める上で社内関係部署の皆さんに助けていただきました。関係部署の女性と打合せをした際に「こんな便利な商品があるんですね!普段、生の魚や肉をカットする時は、まな板にラップを敷いているからすごく欲しいです。」といわれたんですよ。その方は主婦でもいらっしゃるので、この言葉はとても心強かったですね。
『この商品には必ずニーズがある』という手応えになりましたよ。

<聞き手>
商品を買ってくださるお客さまでもあるわけですから、主婦の言葉は説得力がありますよね。

<赤松バイヤー>
そうですね!
ほかにも社内の朝礼で、「まな板シートを買って使いました。便利だったので、次は詰替えを買いたいです」と、お話してくださった女性社員もいたんですよ。必要とされていることを感じて、とてもうれしかったですね。

<聞き手>
発売前のこんな商品があったらいいなというお声と、発売後の使って便利さを体感された方のお声。どちらも貴重ですね。

商品化の仮説は確信へ!

<赤松バイヤー>
少しずつ商品化への手応えをつかんでいましたが、これまでになかった商品を開発するということで、衛生に関する意識調査に関する結果も参考にしました。
調理器具を清潔にすることは、調理時の食中毒予防の基本であることは皆さんご存知かと思います。それを証明するのが以下のデータで、年間を通じてニーズはある!と商品化に向けた確信になりました。

<聞き手>
食品に直接触れるものですし、生魚やお肉をカットすることもあるからやはり気にされますね。
前編は商品化のきっかけについて詳しくお聞きしました。後編は食中毒に関することや、商品特長をお聞きします。