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2022.11.30

開発物語vol.19「インスタントスティックブラックコーヒー~後編~」

インスタントスティックブラックコーヒーの開発物語「後編」

後編は、前編の続き「お手頃価格を実現させた理由」や、ベトナムから商品を輸入するメリットをご紹介します。
前編の松梨さんから交代して、くらしモア商品を企画・開発している日本流通産業の海外拠点である、バンコク事務所の大矢所長にお伺いします。「インスタントスティックブラックコーヒー」の開発では、海外メーカーとのやり取りを担当されました。

目次

  1. お手頃価格を実現させた3つの理由 〜その2~
  2. お手頃価格を実現させた3つの理由 〜その3~

お手頃価格を実現させた3つの理由 〜その2~

<聞き手>
コーヒー生豆の価格相場は、1ポンド110~120セントだったのが、ここ1~2年で倍近い価格になっていると聞きました。

<大矢所長>
はい、そうです。物価高騰は日本に限らず世界的に起こっていて、コーヒー豆もその流れで価格が上がっていますね。
このような状況で商品化するにあたり、ベトナムの有力メーカーを調査しました。同時期に松梨さんも日本で商社から紹介されたのが偶然同じメーカーで、そこから話は早かったですね。
ベトナムはコーヒー豆の生産量が世界第2位なんです。ベトナムの中南部に位置するダラットという高原地帯は、農作物を栽培しやすい気候から農業が盛んで、コーヒー豆も栽培されています。
ベトナムに限らず東南アジアは、気温が高いことからコーヒー豆の栽培が盛んですね。

<聞き手>
そういった経緯がありベトナム産というわけですね。
ところで、どうしてそれがコストダウンになるのでしょうか…?

<大矢所長>
ベトナムを含む開発途上国の経済発展を援助するために、途上国からの輸入品は先進国に比べて税率を低く設定した「特恵関税」という制度があります。特定された国の輸出入の貨物が限定で、一般税率より低い税率の関税です。

<聞き手>
これがコストを抑えることができた2つ目の理由というわけですね。

<大矢所長>
はい、そうですね。
それに加えてベトナムの平均月給が日本円で3~4万円で、その人件費の安さもコストに関わっていますね。

<聞き手>
それらが複合的に商品の価格に反映されたというわけですね。

<大矢所長>
はい。
話はそれますが、写真はバイク天国として有名なベトナムの街の風景です。バイクのことを「ホンダ」と呼ぶほど、生活の移動手段として根付いています。初めて訪問した人は、その交通量に圧倒されますよ。

お手頃価格を実現させた3つの理由 〜その3~

<大矢所長>
3つ目の理由は、直接貿易といって商社などを通さずに、現地サプライヤーから直接買い付けをしたことです。

<聞き手>
商社を通す価格に比べて仕入れ値が抑えられるわけですね。

<大矢所長>
そうです。東南アジアは世界でも生産拠点となりつつあり、商品供給の重要なエリアです。

(写真左)
 ベトナムも高層ビルが次々と建設されていて、近年は発展が著しいです。写真の細長いビルは現地でも有名で、日本の大手企業も入っています。
(写真右)
 数年前の写真ですが、日本の支援で地下鉄が建設された際の風景です。空き地にベトナムと日本の国旗が映っています。

<聞き手>
その東南アジアのタイにいらっしゃる大矢さんの現地でのネットワークが商品開発にも活きてくるわけですね。

<大矢所長>
日本企業の駐在員同士で有力メーカーなどの情報交換は行っていますよ。

<聞き手>
他企業との交流があると言え、国が違うと文化も違うのでご苦労もあったのでは?

<大矢所長>
文化の違いというより、新型コロナウィルス感染症の影響で訪問ができず、打合せがWebだけだったので、思うようにコミュニケーションがとれず誤解が多々あって…。
それを解くために英語と日本語を交えて打合せをしたので、時間がかかったことでしょうか。
ベトナムの方は積極的な姿勢で商売をされるんです。サンプルが届いたら試飲評価を何度も確認してくるなど、競争意識の高さを感じましたね。
余談ですが、今回お世話になったメーカーの担当者が日系企業の勤務経験があり、日本語に長けていたので開発もスムーズに進み助かりました。

<聞き手>
お求めやすい価格でありながら、深みのあるコクとほどよい苦味の香り高いコーヒーです。
冷たいお水や牛乳にもサッと溶けるので、ホットコーヒーのほかにもアイスコーヒーやカフェオレもお手軽に楽しめます。ぜひ、お試しください。