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2022.11.22

開発物語vol.19「インスタントスティックブラックコーヒー~前編~」

インスタントスティックブラックコーヒーの開発物語「前編」

開発物語vol.19は、くらしモア商品では初めてのスティックタイプのインスタントコーヒー、「インスタントスティックブラックコーヒー」をご紹介します。本商品は輸入品で、コーヒー豆の生産量が世界第2位のベトナム産です。インスタントコーヒーの製法やコーヒー豆市場などをまじえてエピソードをお伝えします

目次

  1. 手軽さが支持されて人気増のインスタント
  2. コーヒーの芳醇なアロマをお届けするために…
  3. お手頃価格を実現させた3つの理由 〜その1~

「インスタントスティックブラックコーヒー」の開発担当者はこの方!

加工食品部/松梨 正和(まつなし まさかず)
嗜好品(コーヒー・紅茶・緑茶類、ジャム、はちみつ)を担当しています。大学卒業後、外食向け総合食品卸しの営業として、ホテル・レストラン・喫茶店・レジャー施設を担当していました。それ以来ずっと食品に携わっていますね。当時も主な取扱い商品にコーヒーがあり、ハンドドリップ(*)やエスプレッソの淹れ方を学びながらセールスしていました。前職で得た知識や経験が今回の商品開発で活きたことがありますので後ほどお話しますね。
(*)ペーパーフィルターにコーヒー豆の粉を入れて上からお湯を注ぎ濾すことでコーヒーを楽しむスタンダードなコーヒーの淹れ方

手軽さが支持されて人気増のインスタント

<聞き手>
インスタントコーヒー市場の動向を含めて、商品化のきっかけを教えていただけますか?

<松梨バイヤー>
はい。
スティックタイプのインスタントコーヒー市場は、ここ2~3年ずっと売上が伸びていました。2020年頃からは新型コロナウィルス感染拡大の対策として、自宅で過ごす時間が増えたことによりさらに伸びています。特にブラックコーヒーはスティックタイプの種類が少なかったので、品そろえが増えてきていますよ。

<聞き手>
他の商品と同じように自宅で過ごす時間が増えると、市場の動向に影響があるんですね。
ところでインスタントコーヒーは、粒状のものと粉末状のものがありますが、「インスタントスティックブラックコーヒー」はどちらのタイプですか?

<松梨バイヤー>
粉末状です。粒状はフリーズドライ、粉末状はスプレードライとそれぞれ製法が違うんですよ。
フリーズドライ製法(凍結乾燥)は、濃縮したコーヒー液を低温で凍結させて真空状態で水分を除去して乾燥させます。水分が蒸発した後はそのまま空間として残り、コーヒーの粒が大きなまま残ります。この製法は低熱処理なので香りや味わいがより良いことが特長です。
スプレードライ製法(噴霧乾燥)は、濃縮したコーヒー液を気体中に噴霧して、高温の熱風で急速に水分を蒸発させて細かい粉末状に仕上げます。霧状にしたものを乾燥させるので粒は非常に小さいパウダー状で、溶けやすいことが特長です。

<聞き手>
なるほど、それぞれの良さがあるというわけですね。

コーヒーの芳醇なアロマをお届けするために…

<聞き手>
箱に「アラビカ豆のレギュラーコーヒー粉末を入れ香り高く仕上げました」と書かれていますが、これは商品特長ですか?

<松梨バイヤー>
はい、そうです。インスタントコーヒーではあまりアラビカ豆は使わないんですよ。アラビカ豆は甘い香りが特長で、今回は香りを引き立てるために入れました。先ほど製法についてお話しましたが、スプレードライ製法は香りが少し弱くなってしまうんです。お客さまにコーヒー本来の香りを楽しんでいただくためにはどうしたらいいかと考えていた時、前職で得た知識の『香りを引き立てるならアラビカ豆のレギュラーコーヒー粉末』を思い出したんです。メーカーさんにアラビカ豆を加えた試作をお願いして、開発を進めました。

<聞き手>
冒頭(※松梨さんご紹介文)のことですね。松梨さんのこれまでの経験を活かした商品開発というわけですね。

<松梨バイヤー>
簡単でお手軽なインスタントコーヒーでありながら、こんなにもおいしいコーヒー!と、喜んでいただける商品を目指しました。

お手頃価格を実現させた3つの理由 〜その1~

<聞き手>
今、食品に限らずいろいろな商品が値上がりしていますよね。この状況でどのようにしてお手軽価格を実現させることができたのですか?

<松梨バイヤー>
理由は大きく3つあります。まず1つ目は箱をコンパクトにしたことです。
輸入品は一般的にコンテナで海上運送するため、国産品より輸送費が高くなるんです。1回の輸送でより多くの商品を運ぶこと、つまりコンテナの積載効率が上がるように、スティック本数に合わせた適正サイズで箱を作り輸送費を抑えました。
さらに、コンパクトにしたことで箱の資材費も下がりましたよ。

<聞き手>
他社の箱サイズと比較すると一目瞭然ですね。
箱がコンパクトだと、キッチンで保管スペースをとらないという良さもありますね。

残り2つの理由は、松梨バイヤーからタイ駐在の担当者に交代してお伝えします。